葛西美空の “歌” 動画
葛西美空の歌動画の特徴
葛西美空は、活動を休止する2024年6月30日までに16本 ※1 の「歌みた動画（歌ってみた動画）」を投稿している。歌みた動画は、曲のイメージに合わせたアニメーションを使用し、１曲全体を歌った動画になる。
歌みた動画以外にも、動画の途中やエンディングで、曲の一節だけではあるが葛西美空の歌声を聞くことができる。葛西美空のハムボでの歌唱をベースに、強いエコーと音声の重ね合わせ（重ね掛け）などの編集を駆使して「独特の葛西美空の世界観」を表現し、聞いた人の心にジワジワと影響を与える、”不思議な感覚” をもたらしてくれる特徴がある。
※1：一部の歌唱動画はネタ動画として分類し含んでいません。
「歌みた動画」の始まり
一番最初の歌みた動画は、当然ではあるが「【ハムボで】ハム太郎とっとこうた【歌ってみた】 (2022/8/21投稿)」で、”ハムボの葛西美空” が認知され始めたばかりの頃だった。
その後、「【葛西美空】ファンサ/ Honey Works 【感謝を込めて歌わせて頂きました】 (2022/12/31投稿)」を経て、「rray／葛西美空feat.葛西ハム(cover) (2023/3/31投稿)」からは、動画クリエーターの協力を得た「リミテッドアニメーション」を使用した本格的な動画になっている。
本格的な歌みた動画になって以降、葛西美空の歌唱に “葛西美空のハムボ” でコーラスを入れることにより、葛西美空の世界感をより強く表現し、原曲とは違った新しい魅力を引き出している。また、いくつかの歌みた動画は、葛西美空にとって節目になる重要な日に投稿されており、その投稿日から葛西美空の心の内を推し量ることもファンの楽しみの一つとなっている。
「歌みた動画」の一覧
歌ってみた動画の一覧（※三角マークをクリックして表を展開）
| № | 投稿動画 | 投稿日 |
| 1 | ラフ・メイカー／葛西美空(cover) | 2024/6/30 |
| 2 | 初音ミクの消失／葛西美空(cover) | 2024/6/28 |
| 3 | うっせぇわ／葛西美空×葛西ハム(cover) | 2024/6/21 |
| 4 | 食虫植物／葛西美空×葛西ハム(cover) | 2024/6/14 |
| 5 | Bling-Bang-Bang-Born /葛西美空(cover) | 2024/6/7 |
| 6 | ロメオ／葛西美空×葛西ハム(cover) | 2024/2/25 |
| 7 | アイデンティティ／葛西美空(ハム) ×ゼパ@zepa_Alc9 | 2023/11/30 |
| 8 | 唱／葛西美空×葛西ハム(cover) | 2023/10/31 |
| 9 | 絆ノ奇跡/葛西美空×葛西ハム(cover) | 2023/10/12 |
| 10 | ロキ/葛西美空×葛西ハム(cover) | 2023/9/7 |
| 11 | 女の子になりたい／葛西美空(cover) | 2023/7/31 |
| 12 | Acacia／葛西美空(cover) | 2023/6/22 |
| 13 | シル・ヴ・プレジデント／葛西美空(cover) | 2023/5/1 |
| 14 | ray／葛西美空feat.葛西ハム(cover) | 2023/3/31 |
| 15 | 【葛西美空】ファンサ/ Honey Works 【感謝を込めて歌わせて頂きました】 | 2022/12/31 |
| 16 | 【ハムボで】ハム太郎とっとこうた【歌ってみた】 | 2022/8/1 |
BUMP OF CHICKEN
葛西美空は特に大好きなミュージシャンに「BUMP OF CHICKEN」を挙げており、「ray」「アカシア」「Laugh Maker」の３曲の歌みた動画が、同バンドのカバーである。
特に「ray」については、かつて自身がこの曲を初めて聞いた時に強く興奮（感動）したことを語っている。（「葛西美空の感謝の質問コーナー (2022/10/14投稿)」8分30秒頃）
葛西美空が最もカバーしたかった曲「BUMP OF CHICKEN」の「ray」
2023/3/31 葛西美空のYouTubeへの最初の動画投稿から365日目（１年の節目）に投稿された。「葛西ハム」はこの動画の表記上ではまだ「feat.（コーラスとして参加）」扱いであった。
「ray／葛西美空feat.葛西ハム(cover)（2023/3/31投稿）」
2曲目のカバー「BUMP OF CHICKEN」の「アカシア」
2023/6/22 葛西美空の22歳の誕生日に投稿された。動画タイトルに”葛西ハム”の記載はないが、アニメーションに登場し歌声も聞くことができる。
「Acacia／葛西美空(cover)（2023/6/22）」
3曲目のカバー「BUMP OF CHICKEN」の「Laugh Maker」
2024/6/30 葛西美空が活動を停止するその日に投稿された。こちらも動画タイトルに”葛西ハム”の記載はないが、アニメーションに登場し歌声も聞くことができる。
「ラフ・メイカー／葛西美空(cover)（2024/6/30投稿）」
“葛西ハム”の可能性
“葛西ハム” は、歌みた動画で葛西美空とボーカルでコンビを組む、男の子のハムスターという設定のキャラクター。初期の歌みた動画「ray／葛西美空feat.葛西ハム(cover) (2023/3/31投稿)」からすでにその歌声を聞くことができる。
当初この動画のタイトルは「ray／葛西美空 feat.ハムボ葛西美空 (cover)」で “葛西ハム” と書かれてはいなかった。
「ロキ/葛西美空×葛西ハム(cover) (2023/9/7投稿)」の歌みた動画の投稿以後「葛西美空×葛西ハム」の表記が始まり、後に上記の動画タイトルに表記が変更されている。
その他にも葛西ハムによるコーラスがあるにも関わらず、動画のタイトルに “葛西ハム” の表記が無い動画がある。”葛西ハム” 表記の有り無しの理由について、葛西美空は特に言及はしていない。
葛西ハムの歌声は、いわゆる「ハムボ」ではなく、「葛西美空自身が演じるハムスターの声」であり、完全に独立した一人（一匹）のキャラクターとしてアイデンティティを与えられていると考えてよい。葛西ハムのボーカルが、歌みた動画の特徴と完成度に強く貢献している事は間違いない。
葛西美空はXで『葛西ハムの可能性を感じる』といった趣旨の内容をポストしたことがあり（※ポストは削除済）、葛西美空自身も『葛西ハム』の存在と影響力の大きさについて理解していることが伺える。
余談：葛西美空は「葛西ハムの中身は自分である」とライブ配信で暴露するネタを行っているが、それはファンからすれば、周知のことである。「80万人記念配信 (YouTube・2023/12/02配信・削除済)」
葛西美空の歌みた動画で、最も再生数の多い動画「唱（Ado）」
葛西ハムのコーラスにより、「葛西美空の歌みた動画」の特徴が際立っている代表作の一つ。
「唱／葛西美空×葛西ハム(cover)（2023/10/31投稿）」
歌みた動画以外の葛西美空の歌声
動画の中の葛西美空の歌唱
葛西美空は動画の中で、ワンフレーズ程度ではあるがしばしば歌を歌っている。動画の最中に唐突に歌が始まり場面転換に使用するパターンが多い。このような動画の構成を葛西美空は好んで使用している。
22歳の誕生日に合わせて投稿された動画で、新しい学校のリーダーズのあの曲をハムボで歌っている。
0分58秒頃「吉原ラメント」の歌い出しを、1分29秒頃「オトナブルー」のサビを歌っている。
「【葛西美空】花魁さんになってきました【色気MAX】（2023/6/22投稿）」
動画の中で歌った曲の一覧
葛西美空が動画の中で歌った曲の一覧（※三角マークをクリックして表を展開）
| № | 曲名 | 投稿動画 | 投稿日 |
| 1 | 感謝感謝（スカイピース） | 葛西美空の大好物、玉こんにゃく | 2022/10/9 |
| 2 | ワンルームシュガーライフ（ナナヲアカリ） | ネタが思いつかない時の葛西美空のルーティン ※鼻歌程度 | 2023/1/12 |
| 3 | 春よ来い (松任谷由実) | 生野菜を頬張る葛西美空、ハムスター | 2023/2/27 |
| 4 | マリモの唄（作詞：岩瀬ひろし 作曲： 八洲秀章 昭和27年） | 【1人旅】葛西美空、初めての飛行機・初めての北海道【ゆるふわ動画】 | 2023/4/11 |
| 5 | 紅（X Japan） | 【葛西美空】スイカでお漬物でも作るか【塩気MAX】 | 2023/6/14 |
| 6 | ぴえヨンブートダンス（アニメ・推しの子） | 【葛西美空】普段おしゃれしない女が、可愛い系のお洋服を沢山買った結果 | 2023/6/19 |
| 7 | 吉原ラメント（亜沙） | 【葛西美空】花魁さんになってきました【色気MAX】 | 2023/6/22 |
| 8 | オトナブルー（新しい学校のリーダーズ） | ||
| 9 | ハルカ（YOASOBI） | 【葛西美空】５０万人ありがとう配信【雑談ぅ】（YouTubeライブ配信）動画は削除済 | 2023/3/4 |
| 10 | I beg you （Aimer） | 配信だああああああ【最後にお知らせあり】（YouTubeライブ配信）動画は削除済 | 2023/6/1 |
| 11 | ヴァンパイア feat. 初音ミク（DECO*27） | ||
| 12 | チョコレイトディスコ（Perfume） | 葛西美空のバレンタイン🤎作り配信【お料理配信】（YouTubeライブ配信）動画は削除済 | 2024/2/14 |
動画のエンディングでの葛西美空の歌唱
YouTubeの投稿動画（Long動画）では、「葛西美空のEDテーマ（とどろけおののけ葛西美空） (2023/4/2投稿) 」ができるまでは、動画のエンディングで音楽を流していた。
当初はエンディングのBGMに「おとぼげこんたのひなたぼっこ」が流されていたが、「【1人で】ハムボなバーベキュー【BBQ】 (2022/7/4投稿)」の動画から「ハム太郎とっとこうた」を歌い始め、「男を取り合う幼稚園児を全力でとめる担任 (2022/7/28投稿)」の動画から徐々に様々な歌を歌うようになった。
※毎回必ず歌を歌うわけではなく、音楽のみのエンディングの場合もある。
この “動画のエンディングでの歌唱” では、ハムボの声色で「ダブリング（音の重ね合わせ）」編集を駆使し、強いエコーとともに、かなり大胆な「デフォルメ」を加えており、原曲が何の曲か簡単に判断できない曲もある。その葛西美空の世界観は唯一無二の表現で、何度も聞きたくなる中毒性すら感じられるものだ。
選曲に関しては、音楽の好みについて葛西美空は「自分は流行に流されるほうだ」と語っていることから、そのときに葛西美空が聞いていた音楽や見ていたアニメなどの影響が強く表れていると思われる。（「葛西美空の感謝の質問コーナー (2022/10/14投稿)」8分30秒頃）
最も新しい、エンディングでの葛西美空の歌唱
4分26秒頃から、インフレータブル式の牛の着ぐるみで歌っている、「POKÉDANCE」はショート動画「YouTube2周年ありがとう（2024/3/31投稿）」でも使用されている。
「葛西美空のガチ私服を公開…！【妖艶注意】（2024/4/10投稿）」
葛西美空の動画やSNSの発信では、しばしば「霊長目ヒト科の動物」が取り上げられる。
Curious Jeoge（岩崎良美さんとモンキーブラザーズ／おさるのジョージ）。原曲に対してのデフォルメ（変形）がかなり大胆な歌唱の例。
「賢すぎて先生より授業が上手い子供（2022/11/14投稿）」
葛西美空は少女アニメシリーズの歌も一通り歌っている。
「美少女戦士セーラームーン」は1992～1997、「おジャ魔女どれみ」は1999～2003、「プリキュアシリーズ」は2004～、葛西美空は2001年生まれで、プリキュア世代になる。
「悪質な仕事に誘われたアホな奴（2022/9/14投稿）」
動画のエンディングで歌った曲の一覧
葛西美空が動画のエンディングで歌った曲の一覧（※三角マークをクリックして表を展開）
BGMに使用した曲
葛西美空の動画では、特徴的な効果音やBGMが使用されている。いずれも葛西美空が表現したい【ゆるふわ】を絶妙に演出するメロディで、動画の編集に長けた葛西美空のこだわりが感じられる選曲と言って差し支えない。
- おにぎり【フリーＢＧＭ】（くらちゃんねる）は、YouTubeのライブ配信（「【配信復帰】配信だぁああああああぅ【※冒頭音量ミスってかなり音割れしてるごめんぅ】 (YouTube・2023/4/23配信・削除済）」）のライブ配信から使用し始め、それ以降の多くのライブ配信で使用されている。葛西美空といえばこのBGMというくらい、多くのファンに認識されている。
- おとぼげこんたのひなたぼっこ（こーち）は、ライブ配信のBGMや動画のエンディングで、初期の頃から広く使用されていた。葛西美空を表現する代表的なBGM曲。
- 内ナル世界ヲ統ベル魔王（pikaMine）は、葛西美空がネタとして怒りの感情を露わにするときに使用している。ネタ動画やライブ配信中の定番BGMとして頻繁に使用されている。
上記以外にも動画や配信のＢＧＭに、フリーの音源を多数使用している。
この記事の後書き
葛西美空の「歌（歌唱）」について、多くの他のシンガーと比較して論じることは、無意味である。
アイドル時代も含め、ボイストレーニングは当然受けているだろうし、何よりも葛西美空自身が「歌うことが好き」と語っていることからすれば、その技量は素人のそのレベルよりも遥かに上だろう。
葛西美空の歌唱の価値は、なによりもその声色を駆使したアレンジ（編曲）にある。1人2役(2パート)、時にはそれ以上の数の歌声を自分で重ねるのだから、その通りにライブで歌うこと（人前で歌うこと）はそもそも不可能だ。
コーラス部分を自分の声の録音で重ねるアレンジは一般的にあるが、“葛西ハム”のように、完全に独立したもう一人（一匹）の自分を参加させられる歌い手は、そうは存在しない。また、ハムボによる動画のエンディングのようなアレンジを、葛西美空以外に思いつくクリエーターもごく少数しかいない筈だ（葛西美空以外にはいないと断言できるかもしれない）。
動画として投稿されたこれらの葛西美空の歌唱は “葛西美空の表現したいその全てが巧みに組み込まれた作品” として唯一無二の魅力を放っている。これも、葛西美空が多くのファンを引き付ける理由でもある。
